
「SharePointに動画を埋め込もうとしたら、昔のやり方が使えなくなっていた」
2024年4月にMicrosoft Stream(クラシック)が完全廃止されてから、そんな声を職場でよく聞くようになりました。SharePointの動画まわりの仕様は2024〜2026年にかけて大きく変わっており、古い記事の手順では動かないケースが続出しています。
この記事では、2026年4月時点で実際に動作する埋め込み方法を3パターン、トラブル別の対処法、そして旧Stream(クラシック)からの移行手順まで一気通貫で解説します。
この記事で分かること
- 2026年時点の正しいウェブパーツ名と操作手順(Stream クラシックとの違い)
- 「動画が再生されない」「Teams上で見られない」などよくあるエラーの解消法
- Microsoft Stream on SharePointの字幕・チャプター・分析機能の使い方
- 外部サービス(YouTube)との使い分け判断基準
- 【2026年版】まず確認:Stream(クラシック)は完全終了済み
- SharePointに動画を埋め込む3つの方法(2026年対応版)
- よくあるトラブルと解決策(2026年版)
- Stream on SharePointの便利機能を使いこなす
- 内部・外部動画の使い分けガイド
- モバイルでの視聴を考慮した設定
- Microsoft 365エコシステムとの連携
- よくある質問(FAQ)
- まとめ
【2026年版】まず確認:Stream(クラシック)は完全終了済み
最初に押さえておくべき重要事実があります。
Microsoft Stream(クラシック)は2024年4月15日に完全廃止されました。旧Streamウェブパーツで埋め込んでいた動画は、2025年2月をもって再生不可になっています。
2026年現在、SharePointの動画埋め込みに使える仕組みは「Stream on SharePoint」に統一されています。これはSharePointまたはOneDriveのドキュメントライブラリに動画ファイルを保存し、そこからSharePoint上で高機能なプレーヤー機能(字幕・チャプター・埋め込みコード生成など)を提供する形です。
旧Streamのように「独自サービスにアップロードする」ステップは不要です。SharePointに動画ファイルをアップロードするだけで、自動的にStream on SharePointの機能が有効になります。
SharePointに動画を埋め込む3つの方法(2026年対応版)
方法①「ファイルとメディア」ウェブパーツ(最もシンプル)
1つの動画をページ上でインライン再生させたい場合に最適です。SharePoint Modernページで使える標準ウェブパーツで、操作は数クリックで完結します。
手順
- SharePointページを編集モードで開く
- 「+」ボタンをクリックしてウェブパーツを追加
- 「ファイルとメディア」を選択(※「動画」ウェブパーツという表記は2024年以降廃止。現在は「ファイルとメディア」が正式名称)
- 「このサイトから」または「別のサイトから」を選択し、アップロード済みの動画ファイルを指定
- URLからも直接指定可能(SharePoint・OneDrive上のファイルURLに対応)
- 「公開」をクリックして保存
アクセス権はSharePointサイト・ライブラリの権限設定がそのまま適用されるため、追加設定不要で社内向けセキュアな共有が実現します。
どんな場面に向くか: 研修動画1本をページに掲載、製品マニュアルの補足動画、お知らせページへの動画追加など、「1ページに1動画」の典型的な用途。
方法②「ヒーロー」ウェブパーツ(視覚的に目立たせたい場合)
コミュニケーションサイトのトップページなど、タイル形式で動画を目立たせたいケースに向きます。複数の動画やコンテンツを並べてビジュアル訴求できるウェブパーツです。
手順
- ページを編集モードで開く
- 「+」から「ヒーロー」ウェブパーツを追加
- 各タイルの「編集」ボタンをクリック
- 「リンク」に動画ファイルのURLを指定(SharePoint・OneDrive上の動画ファイルのみ対応)
- 動画のサムネイルが自動表示され、クリックでインライン再生
注意点: ヒーローウェブパーツでの動画再生は、SharePointまたはOneDriveに保存されたファイルのみ対応です。YouTubeなど外部動画のURLは指定できません。
どんな場面に向くか: 部門トップページでの複数動画のビジュアル掲載、社内ポータルのウェルカム動画、新入社員向け案内ページなど。
方法③「埋め込み」ウェブパーツ(再生開始時間指定・外部動画に対応)
Stream on SharePointで生成した埋め込みコードや、YouTube等の外部動画のiframeコードを貼り付けて表示する方法です。柔軟性が最も高く、再生開始時間の指定もできます。
Stream on SharePoint動画の埋め込みコードを使う手順
- SharePointのドキュメントライブラリで対象の動画ファイルを開く
- Streamプレーヤーの右端「ビデオの設定」または「…」メニューから「共有」を選択
- 「埋め込みコード」タブを開く
- 再生開始時刻・プレーヤーサイズ・自動再生・レスポンシブ表示などを設定してコードをコピー
- SharePointページの編集モードで「+」→「埋め込み」ウェブパーツを選択
- コピーしたiframeコードを貼り付け → 「適用」→「公開」
YouTubeなど外部動画の場合
YouTube動画の「共有」→「埋め込み」から取得したiframeコードを、手順5以降と同様に「埋め込み」ウェブパーツに貼り付けるだけです。
どんな場面に向くか: 長い研修動画の特定箇所からリンクしたい場面、YouTubeに公開済みのノウハウ動画の社内ポータル掲載、1段組みセクション以外での埋め込みが必要な場合。
よくあるトラブルと解決策(2026年版)
「動画が再生されない」場合
原因①:旧Streamウェブパーツが残っている Stream(クラシック)ウェブパーツは2025年2月以降、再生不可です。ページ編集画面でウェブパーツの種類を確認し、「ファイルとメディア」または「埋め込み」ウェブパーツに差し替えてください。
原因②:権限設定の不備 動画ファイルが保存されているSharePointサイトまたはライブラリへのアクセス権限が、視聴者に付与されていない場合に再生できません。「共有」設定でアクセス許可を確認してください。
原因③:ブラウザのキャッシュ・互換性 Microsoft Edge(最新版)またはChrome(最新版)を使用してください。プライベートウィンドウで再生できるか試すと、キャッシュ起因か権限起因かを切り分けられます。
「TeamsのタブでSharePoint動画が見られない」場合
TeamsアプリでSharePointページをタブ表示した場合、Stream認証の関係でページ内の動画が再生できないことがあります。
対処法: Teamsタブのページを「新しいウィンドウで開く」ボタンでブラウザ表示に切り替えるか、Teamsアプリの代わりにブラウザ版Teamsを使用してください。Microsoftはこの問題の修正に取り組んでいますが、2026年4月時点では完全解消されていない環境もあります。
「埋め込みウェブパーツで動画が表示されない」場合
SharePointの「埋め込み」ウェブパーツはiframeに対応していますが、セキュリティ設定によっては外部サイトのiframeが読み込まれない場合があります。管理者権限でサイト設定の「HTMLフィールドセキュリティ」を確認し、対象ドメインをiframe許可リストに追加する必要があります。
Stream on SharePointの便利機能を使いこなす
字幕・トランスクリプトの自動生成
Stream on SharePointには、動画をアップロードすると自動で字幕(トランスクリプト)を生成する機能があります。日本語・英語を含む複数言語に対応しており、生成後に手動編集も可能です。
Streamプレーヤーの「ビデオの設定」→「トランスクリプトとキャプション」から設定できます。生成された字幕テキストは検索インデックスに含まれるため、動画の中で話した内容でも社内検索でヒットするようになります。研修動画や会議録画の活用度が大きく上がる機能です。
チャプター機能
数分を超える動画では「チャプター」機能を有効にすることを強くおすすめします。動画を章ごとに分割してサイドバーに目次表示できるため、視聴者が必要な部分に素早くジャンプできます。
設定は「ビデオの設定」→「チャプター」をオンにするだけです。
再生開始時間の指定(タイムスタンプ共有)
Streamプレーヤーで動画を再生中に任意の時点で「共有」→「現時点でリンクをコピー」を選ぶと、その再生時刻から始まるリンクを取得できます。埋め込みコード生成時も開始時刻を秒単位で指定可能です。
長い会議録画から重要な部分だけをピンポイントで共有する際に特に便利です。
視聴分析
SharePoint on Streamの動画は、視聴者数・平均視聴時間・視聴完了率などの分析データを確認できます。ドキュメントライブラリ上のファイルから「詳細」パネルで基本情報を、Streamプレーヤー経由でより詳細なデータにアクセスできます。
内部・外部動画の使い分けガイド
どのホスティング方法を選ぶべきか、判断の基準をまとめました。
SharePoint on Stream(社内保存)を選ぶべき場面
- 社外秘・機密情報を含む動画(アクセス権限をSharePointで厳密に管理できる)
- 視聴分析が必要な研修動画・コンプライアンス講習
- 字幕・チャプター機能を活用した長尺コンテンツ
- Teams会議の録画(自動的にSharePointに保存される)
YouTubeを選ぶべき場面
- 社外にも公開する動画(採用情報、製品PR等)
- アクセス数・視聴維持率のSEO効果を期待したい場合
- 外部パートナーや顧客が見やすい形式で共有したい場合
注意: 社外秘情報を含む動画を外部サービス(YouTube・Vimeo等)にアップロードすることは、一般的にセキュリティリスクがあります。情報漏洩を防ぐため、機密性の高い動画は必ずSharePointに保存してください。
モバイルでの視聴を考慮した設定
SharePointにアクセスするデバイスの多くがスマートフォンになっている現在、モバイル対応は必須です。
ファイルとメディア・埋め込みウェブパーツ共通のポイント
- 「レスポンシブ」設定を有効にすると、ブラウザ幅に合わせてプレーヤーサイズが自動縮小されます
- 音声付きの自動再生はモバイルブラウザで無効化されているケースが多いため、
muted属性を追加した場合のみ自動再生が機能します - モバイルデータ通信での意図しないデータ消費を防ぐため、自動再生はOFFが基本です
動画ファイル自体の最適化
- 一般業務用途なら解像度720p(1280×720)で十分です
- ビットレートは1〜2Mbps程度を目安にエンコードすることで、モバイル回線でもストレスなく視聴できます
- 5分以内の短い動画に分割すると、視聴完了率が上がりやすくなります
Microsoft 365エコシステムとの連携
Teams会議録画との自動連携
Teams会議の録画は、2023年以降デフォルトで会議チャンネルに紐づくSharePointのドキュメントライブラリに保存されます。つまり録画完了と同時に、Stream on SharePointの機能(字幕・チャプター・共有リンク等)が使える状態になっています。
会議録画をそのままSharePointページに埋め込んで社内ナレッジとして蓄積するワークフローは、追加ツールなしで実現できます。
Power Automateとの組み合わせ
SharePointに保存した動画のアクセスログを活用して、Power Automateで「研修動画を最後まで視聴したメンバーにのみ修了証を送付する」といったワークフローを構築できます。Microsoft 365内で完結するためコスト追加なしで運用できます。
Viva Engageとの連携
Viva Engage(旧Yammer)のコミュニティへの投稿に動画リンクを貼ることで、SharePoint上の動画をソーシャル形式で社内拡散できます。視聴後にコメントや「いいね」でリアクションを集める使い方が広がっています。
よくある質問(FAQ)
Q. SharePointに直接アップロードできる動画の最大サイズは?
SharePoint Onlineのドキュメントライブラリには、1ファイルあたり最大250GBまでアップロード可能です(2026年時点の標準設定)。ただし実際には数GB以上の動画はロード時間・ストリーミング品質の面で視聴体験が低下するため、長尺動画は分割するかビットレートを下げることを推奨します。
Q. 旧Stream(クラシック)の動画はどうすればいい?
Stream(クラシック)は2024年4月15日に廃止済みです。旧Streamにアップロードしていた動画は、Microsoftが提供した移行ツールによりOneDriveに移行されているはずです。移行済みかどうかはOneDriveのファイル一覧で確認できます。未移行のまま残っているコンテンツは閲覧・再生できない状態です。
Q. 動画の自動字幕生成は日本語に対応している?
はい、Stream on SharePointの自動トランスクリプション機能は日本語に対応しています。精度は話者の発音明瞭度や専門用語の多さによって変わりますが、生成後に手動で修正・編集できるため実用上問題ありません。生成された字幕は検索インデックスに登録されるため、動画内で使われた用語でも社内検索でヒットするようになります。
Q. SharePointの動画埋め込みでアクセス解析はできる?
Stream on SharePointに保存した動画は視聴データを確認できます。ただし詳細な視聴分析(視聴完了率・セクション別の視聴離脱率等)を重視する場合は、YouTube Studio(公開動画向け)や専用の動画管理プラットフォームの方が分析機能が充実しています。組織のニーズに合わせて使い分けてください。
Q. 古いバージョンのSharePointでも動画埋め込みは可能?
SharePoint 2019以降のオンプレミス版でも基本的な動画埋め込みは可能ですが、Stream on SharePointの高度な機能(字幕・チャプター・埋め込みコード生成等)はSharePoint Online(Microsoft 365)でのみ利用できます。オンプレミス版では「コンテンツエディター」ウェブパーツを使ったHTML埋め込みが主な選択肢となります。最新機能を活用するには、SharePoint Onlineへの移行を検討するタイミングかもしれません。
Q. Teams上でSharePoint動画が「サインインが必要」と表示される
TeamsアプリのタブでSharePointページを開いた場合、Stream認証の問題で動画が表示されないことがあります。ページ右上の「新しいウィンドウで開く」からブラウザで開くと解決するケースがほとんどです。Microsoftが修正対応を継続しているため、今後のアップデートで改善される見込みです。
まとめ
2026年時点のSharePoint動画埋め込みは、「Stream on SharePoint」に完全統一されています。旧Stream(クラシック)ウェブパーツはすでに使えなくなっているため、「ファイルとメディア」「ヒーロー」「埋め込み」の3つのウェブパーツが主役です。
埋め込み方法の選び方を端的にまとめると、1本の動画をシンプルに表示したいなら「ファイルとメディア」、複数の動画を視覚的に見せたいなら「ヒーロー」、再生開始時間の指定や外部動画に対応したいなら「埋め込み」ウェブパーツを選んでください。
字幕の自動生成・チャプター・視聴分析といった機能はSharePointにファイルをアップロードするだけで利用できるようになっており、以前のStreamよりもハードルが下がっています。Teams会議の録画も自動でSharePointに保存されるため、会議の知識資産を社内ポータルに蓄積するワークフローが追加コストなしで構築できます。
「旧Streamで埋め込んでいた動画が急に再生できなくなった」という場合は、まずウェブパーツの種類を確認し、本記事の方法①〜③に切り替えてみてください。